<症例情報>
ラブラドール・レトリバー
8歳 去勢済みの男の子 33kg
主訴:昨日の朝から元気がなく、午後には急に後ろ足が動かなくなってしまった
神経学的検査を行い、後ろ足の麻痺を確認。
レントゲンでは骨の異常は見つからなかったため、より詳しい検査のためにMRI検査を実施。
<検査結果>
第5-6胸椎において、椎間板ヘルニアの所見が認められた
飛び出した椎間板の一部が脊髄神経を圧迫し、麻痺の原因となっていた(黄矢頭)
<診断>
第5-6胸椎以外で胸と腰において、麻痺を起こす原因は認められなかったため、椎間板ヘルニアと診断された。
<脊椎って?>
犬や猫の脊椎の数は、頚椎(C)が7個、胸椎(T)が13個、腰椎(L)7個、仙椎(S)は3個が癒合し1つの仙骨となる。
そしてその後ろに尾椎が続くような形態。
椎間板ヘルニアは一般的には背中の中でも、特に動きの多い場所(第12・13胸椎や第1・2腰椎など)に起こりやすいとされています。
しかし大型犬では、今回のように胸のやや上の方(第5・6胸椎)もヘルニアが起こることがあります。
*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。