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2025.07.31
画像で見る病気(飼い主様向け)
#8 脊髄梗塞(繊維軟骨塞栓症:FCE)(飼い主様用)

<症例情報>

中型雑種犬
1歳 去勢済みの男の子 14kg
主訴:左の前足に力が入らない

 

神経学的検査において、左前足の反応の低下を認めた。
レントゲンでは異常はなく、精査のために首のMRI検査を実施。

 

 

<検査結果>

[右:MRI画像 頸部矢状断像]
[右:MRI画像 頸部矢状断像]
[左:MRI画像 病変部横断像]
[左:MRI画像 病変部横断像]

左の画像では首の範囲の脊髄(神経)に、右の画像では脊髄の左側に扇状に白い領域が見られた(黄矢頭)

 

 

<診断>

[MR画像 病変横断像]
[MR画像 病変横断像]

MRI画像と症状から、脊髄梗塞であると診断された。
病変が扇形であるというのが本症例で最も特徴的であり、診断の決め手となった。

 

 

<繊維軟骨塞栓症(FCE)>

FCE:Fibrocartilaginous embolism

 

椎間板から飛び出た線維軟骨が脊髄の血管に詰まる病気。
脊髄梗塞で最も一般的な原因と言われている。
犬でも猫でも起こりうる病気。

 

症状:片側の前足・後ろ足、あるいはその両方に症状が出ることがある、麻痺が強く立てなくなってしまう場合もある。

繊維軟骨塞栓症(FCE)

 

 

<さいごに>

症状は急に現れ、椎間板ヘルニアととてもよく似ています。
椎間板ヘルニアは手術が必要となることも多いため、MRIにより正確な診断をつけることがとても重要です。

 

 

*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。