case

診療実績

2023.10.27
画像診断
#7 椎間板ヘルニア(神経根圧迫)【画像診断】

<症例> ラブラドールレトリバー、6歳、去勢雄、29kg

 

数日前から急に頚部を痛がるようになり、いつもより元気がないとのことで来院。
神経学的検査を行ったところ、麻痺等は認められないが、頭部を左に向かせようとすると特に嫌がる反応が見られました。
レントゲン検査上は頚部に異常は認められず、精査のために頚部MRI検査を実施しました。

 

MRI検査を実施したところ、第5頚椎と第6頚椎の椎間(C5-6)から左右に出ていく脊髄神経(第6頚神経)の太さに左右差を認め、左側の方が少し腫れている様子が見られ、同部位の神経の炎症が疑われました。そして、その神経根(脊髄神経の根本の部分、脊髄から出てすぐの部分)が腹側から僅かに押されている可能性も画像上疑われました。症状とも合わせ、この椎間の椎間板ヘルニアによる左側の神経根(第6頚神経)圧迫が疑われました。

 

【MR画像、矢状断像】
【MR画像、矢状断像】
【MR画像、横断像(正常)】
【MR画像、横断像(正常)】

 

【MR画像、C5-6横断像、T2強調画像】
【MR画像、C5-6横断像、T2強調画像】
【MR画像、C5-6横断像、造影T1強調画像】
【MR画像、C5-6横断像、造影T1強調画像】

 

本症例は病変部であるC5-6横断像において、脊髄自体への影響は全く見られず、一見異常はないように見えてしまいます。しかし、精度の高いMRIで検査することにより、神経根のようなより細かい部分の病変を見つけることができます。当院のMRIは、1.5テスラMRIにAIを搭載しており、より高分解能な画像を撮像することが可能となっています。

 

*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。