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2025.01.16
画像診断
#47 浸潤性脂肪腫(脊柱管内浸潤)【画像診断】

<症例> ミニチュアダックスフンド、9歳、避妊雌

 

数週間前から徐々に後肢に力が入らなくってきたとのことで来院されました。
神経学的検査を行ったところ、両後肢ともに麻痺が認められ、精査のためMRI検査を実施しました。

 

MRI検査を実施したところ、右肩甲部尾側の筋間に大型の脂肪腫を認め、その脂肪腫がT4~T5レベルの脊柱管内右側(一部は椎体にも)に伸展していました(水色矢頭)。この浸潤した脂肪腫により脊髄は左側へ重度に圧排されており、後肢麻痺の原因であると考えられました。

 

【MRI、矢状断像、T2強調画像】
【MRI、矢状断像、T2強調画像】
【MRI、背断像、T1強調画像】
【MRI、背断像、T1強調画像】

 

【MRI、横断像、T2強調画像】
【MRI、横断像、T2強調画像】
【MRI、横断像、T1強調画像】
【MRI、横断像、T1強調画像】

 

脂肪腫は全身の様々な部位にできます。一般的な脂肪腫は良性の体表の結節/腫瘤として認められることが最も多いですが、筋肉の間に発生し(筋間脂肪腫)、それがさらに浸潤していくことにより神経を圧迫することにより神経症状を出す場合や、さらに稀ではありますが本症例のように脊柱管内にも浸潤し、脊髄自体を圧迫し、麻痺のような強い神経症状を出すこともあります。

 

 

 

※当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。