<症例情報>
ミニチュア・ダックスフンド
6歳 未去勢の男の子
主訴:後ろ足が立ち上がらないとのことで来院。神経の検査で両後ろ足の麻痺が認められた。痛みの感覚も完全に消失、脊髄の障害を5段階で評価する分類のうち、最も重度であるグレード5と判断。レントゲンでは明らかな異常は認められず、経過及び症状から「椎間板ヘルニア」を最も疑い、MRI検査を実施
<MRI検査結果>
![[胸部矢状断像、T2強調画像]](https://saitovet.com/wp-content/uploads/2025/12/0-300x192.jpg)
![[腰部矢状断像、T2強調画像]](https://saitovet.com/wp-content/uploads/2025/12/1-300x192.jpg)
第11胸椎と第12胸椎の間で椎間板物質が飛び出し、脊髄が重度に圧迫されている(水色矢頭)
また第5胸椎から第4腰椎付近まで白くなっており(黄矢頭)浮腫や炎症のほかに出血、壊死、軟化などが疑われた。
<診断>
![[T11-12横断像、T2強調画像]](https://saitovet.com/wp-content/uploads/2025/12/2-1-300x192.jpg)
MRI検査の所見から、「椎間板ヘルニアおよび脊髄軟化症」と診断
・椎間板ヘルニア
背骨のあいだにあるクッション(椎間板)が飛び出して、神経(脊髄)を押してしまう病気
・進行性脊髄軟化症
椎間板ヘルニアで脊髄が強く傷ついたとき、押された脊髄がダメージを受け、稀に脊髄そのものが溶けるように広がってしまう病気
・発症すると後ろ足の麻痺が体の上の方へ進行
・進行すると命に関わる
日常生活の中にわずかな行動の変化が病気のサインである可能性もあります。
少しでも違和感を覚えるような変化が見られた際は早めに病院へご相談ください。
*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。