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2025.12.01
画像で見る病気(飼い主様向け)
#19 変性性腰仙椎狭窄症(馬尾症候群)(飼い主様用)

<症例情報>

ゴールデンレトリーバー

ゴールデンレトリーバー
10歳 去勢済みの男の子

 

主訴:最近腰のあたりを触られるのを嫌がり、階段を登れなくなってきたとのことで来院

 

 

<検査結果>

レントゲン検査では異常は認められなかった。身体検査を行うと両後肢麻痺を認め、腰やお尻にかけての神経の異常が疑われた
→精査のためMRI検査へ

 

 

<MRI検査の結果>

腰から尾のかけての椎間板が背中側へ飛び出しており、上を走っている神経の束を圧迫していた

【MRI、胸腰部矢状断像、T2強調画像】
【MRI、胸腰部矢状断像、T2強調画像】
【MRI、L7-S1頭側横断像、T2強調画像】
【MRI、L7-S1頭側横断像、T2強調画像】

 

 

<変性性腰仙椎狭窄症とは>

馬尾症候群とも呼ばれる。
腰からお尻にかけての骨間の狭窄や不安定性などにより、尾側の脊髄(馬尾神経)が圧迫されて神経症状を起こす。

 

 

 

<馬尾神経>

馬尾神経

脊髄は徐々に細くなっていき、そのあたりから神経が束になって尾側に走行している。
この形が馬の尻尾に似ているため、馬尾と呼ばれている。

 

 

<変性性腰仙椎狭窄症の原因>

・先天性:背骨の奇形など
・後天性:靱帯や椎骨、椎間板の加齢に伴う変形により神経を圧迫
中高齢の大型犬で好発し、特にジャーマンシェパードドッグで多い。
雄は雌の2倍かかりやすいという報告もあります。

 

 

 

<MRIって?>

MRI

MRIは磁気共鳴画像診断とも呼び、強力な磁力と電波により臓器や血管などを画像化する検査。

 

 

 

*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。