<症例情報>

ゴールデンレトリーバー
10歳 去勢済みの男の子
主訴:最近腰のあたりを触られるのを嫌がり、階段を登れなくなってきたとのことで来院
<検査結果>
レントゲン検査では異常は認められなかった。身体検査を行うと両後肢麻痺を認め、腰やお尻にかけての神経の異常が疑われた
→精査のためMRI検査へ
<MRI検査の結果>
腰から尾のかけての椎間板が背中側へ飛び出しており、上を走っている神経の束を圧迫していた


<変性性腰仙椎狭窄症とは>
馬尾症候群とも呼ばれる。
腰からお尻にかけての骨間の狭窄や不安定性などにより、尾側の脊髄(馬尾神経)が圧迫されて神経症状を起こす。
<馬尾神経>

脊髄は徐々に細くなっていき、そのあたりから神経が束になって尾側に走行している。
この形が馬の尻尾に似ているため、馬尾と呼ばれている。
<変性性腰仙椎狭窄症の原因>
・先天性:背骨の奇形など
・後天性:靱帯や椎骨、椎間板の加齢に伴う変形により神経を圧迫
中高齢の大型犬で好発し、特にジャーマンシェパードドッグで多い。
雄は雌の2倍かかりやすいという報告もあります。
<MRIって?>

MRIは磁気共鳴画像診断とも呼び、強力な磁力と電波により臓器や血管などを画像化する検査。
*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。