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2025.11.04
画像で見る病気(飼い主様向け)
#16 特発性てんかん(飼い主様用)

<症例情報>

 

ラブラドール・レトリーバー
1歳 避妊済みの女の子

 

主訴:8ヶ月齢の時に初めて30秒ほどのけいれん発作。その後元気だったため様子を見ていたが、本日数十秒のけいれん発作を3回起こして来院

 

1日のうちに複数回の発作を起こした(群発発作)ということもあり、詳しい検査のためにMRIへ

 

 

<MRI検査結果>

【MRI、矢状診断、T2強調画像】
【MRI、矢状診断、T2強調画像】
【MRI、背断像、T2強調画像】
【MRI、背断像、T2強調画像】

・脳に発作を起こすような異常は見られず
・脳脊髄液(脳や神経のまわりを流れる液)
の異常も認められない

 

 

<特発性てんかん>

・初めて発作を起こした年齢が犬で6ヶ月〜6歳
・24時間以上の間隔をあけて2回以上のてんかん発作
・血液や神経の検査、MRI検査・脳脊髄液検査などで異常が認められない

 

これらが特徴であり、遺伝的な病気だと考えられています。

 

特発性てんかんと診断された場合、通常は抗てんかん薬で治療していきますが、脳炎や脳腫瘍などでは全く異なる治療法になります。治療方針の確定のためMRI検査が有用です。

 

 

 

<発作>

 
 

 

6ヶ月齢〜6歳で発作を起こした場合、特発性てんかんがまず疑われることが多いです。
しかし、てんかん発作を起こす他の脳の異常は脳炎や脳腫瘍などがあります。

 

脳炎は時に発症年齢が特発性てんかんと近いため、好発犬種(チワワ、トイプードル、ポメラニアン、ヨーキー、パグetc)では特に注意が必要です

 

 

<MRIって?>

MRI

MRIは磁気共鳴画像診断とも呼び、強力な磁力と電波により臓器や血管などを画像化する検査

 

 

 

*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。