<症例情報>
ミニチュア・シュナウザー
9歳 避妊済みの女の子 8.9kg
主訴:1~2か月ほど前から足腰が弱ってきたように見え、前足にも力が入りにくくなり、元気もなくなってきた。
レントゲン検査で異常は見られず、神経の検査で手足に力が入りにくいことが分かった。
<MRI検査結果>
背骨の中(脊柱管)のかなり広い範囲、特に胸のあたりに白くうつる病変が見つかった。
ひどい部分では正常な脊髄が見えないほど、脊柱管内を腫瘍が埋め尽くしている。
<診断>
その後、病理検査の結果
→「悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)」と診断
<悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST>
(MPNST:Malignant Peripheral Nerve Sheath Tumors)
末梢神経から発生する悪性の腫瘍。
通常は神経の通り道をたどって、脊柱管に入り込むように見えるのが特徴。
尾側頚神経~前胸神経といった前足に関わる神経から、発生することが多い。
また腫瘍が神経を侵すことで、その神経が支配する筋肉が徐々に細くなることも特徴。
症状
・前足の甲や爪を地面に擦るように歩く
・足をずっと挙げる
日常生活の中にわずかな行動の変化が病気のサインである可能性もあります。
*当院では、高崎市の「MGL付属高度動物医療センター」にてMRI検査を実施しております。
当院からの指示があった場合を除き、まずは富岡総合医療センターをご受診下さい。