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2023.07.14
整形外科
#61 中足骨骨折【整形外科】
6歳齢の猫ちゃんで、自宅のケージに足を挟んでしまった後からの右後ろ足の跛行で来院されました。右後肢の中足部が腫れ、レントゲン検査の結果中足骨の骨折がわかりました。4本中3本が骨折してしまっており、手術が必要と判断しました。

中足骨の骨折の治療にはプレート固定、ピンでの固定、創外固定などの選択肢がありますが、今回はプレート固定が可能な部位にはプレート固定、それ以外の部位はピンでの固定を選択しました。術後は外固定も併用して管理し、手術から3ヶ月で治療終了となりました。

 

犬や猫の骨折で一般的に多く認められるのは橈尺骨、脛骨、大腿骨などですが、時折このような中手骨や中足骨での骨折もあります。複数の骨が存在する場所で、そのうち1本だけの骨折であれば外固定(ギプス)での治療が可能な場合もありますが、多くは複数本の骨折が認められます。3本以上の骨折の場合、第Ⅲ、第Ⅳ中手骨/中足骨両方の骨折の場合、第Ⅱまたは第Ⅴ中手骨/中足骨の近位での骨折の場合、開放骨折や感染がある場合、大型犬の場合などは原則的に手術が適応とされています。合併症も比較的起こりやすい手術にはなりますが、今回の患者では幸い問題もなく無事に運動できるよう回復してくれました。当院では動物の痛みをできるだけ早く取り除いてあげられるよう、さまざまな骨折や関節の外科に対応しています。お困りのことがあれば、当院整形外科まで問い合わせください。

 

レントゲン画像

【術前】

 

【術後】

 

【参照文献】

Rosselló GC, Carmel J, Pead M, et al. Comparison of post-operative outcomes after open or closed surgical techniques to stabilize metacarpal and metatarsal fractures in dogs and cats. BMC Veterinary Research 2022;18:300.