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2023.04.25
整形外科
#58 脛骨骨折【整形外科】
6ヶ月のパグのわんちゃんで、ジャンプして着地に失敗した際に脛骨(すねの骨)を骨折し来院されました。最初に受診された病院では手術はしなくて良いとの判断だったようですが、跛行や疼痛の改善がないこと、触診にて明らかに骨折部位での動揺(骨と骨がずれて動くこと)を認めたため、飼主様と相談の結果手術に進むこととなりました。

皮膚を切開後、骨を露出し、プレートとスクリューを用いて固定しました。体重も7kgとしっかりした体格で、若くとても元気なワンちゃんだったため、それも加味して比較的強固な固定を行いました。

当院麻酔科の松浦先生のもと万全の疼痛管理を行い、術後翌日から食欲も旺盛、3日で退院が可能でした。術後1週間後には患肢を使いはじめてくれ、手術から2ヶ月でほぼ元通り走り回れるようになりました。(Instagramに走り回ってくれている動画があるので是非ご覧ください)

 

小動物の長管骨(手足の長い骨)の骨折には一般にプレートとスクリューを用いた内固定が適応となります。しかしながらこれらインプラントにはとても多くの種類があります。どのプレートをどのような長さで、どの位置にスクリューを使うかなど、使い方は執刀する獣医師次第です。自由に使えば良いわけではなく、原則を守り、ガイドラインに則り、可能な限り組織を傷めず手術を実施する必要があります。また近年獣医療においてもプレートの使い方に関する報告が次々と出てきており、新しい知見も踏まえて動物に少しでも安全な手術を受けてもらえるよう努力しています。

 

レントゲン画像

【術前】

 

【術後】

 

【参照文献】

Bird G, Glyde M, Hosgood G, et al. Biomechanical comparison of a notched head locking T-plate and a straight locking compression plate in a juxta-articular fracture model. Veterinary and Comparative Orthopaedics and Traumatology 2021;34:161-170.