循環器科の特徴
動物も獣医療の進歩により長寿になり、人と同様に腫瘍(がん)や腎臓病と共に心臓病が増え、「三大死因」と呼ばれるようになりました。発見や治療の遅れが命に関わるケースもあるため、早期発見をこころがけ、症状のない時期から適切な治療と経過観察をおこなう必要があります。当院では循環器専門医が定期的に診察を行なっており、常勤獣医師と協力して検査・治療に当たる体制を整えています。
【心臓病】と聞くとそれだけで大きな不安に駆られることと思います。
循環器外来に来られる方々からは以下のような質問を多く受けます。
「健康チェックで心雑音があると言われたけど、検査も治療もしていないがそれで良いのか」
「心臓が大きいと言われたけど検査をせずにお薬だけもらえばそれでよいのか」
「心臓病で薬を飲んでいて、再検査をせずに飲み続けているが、今の状態に合っているのか」
「検査を受けたけど説明があまりなく、よくわからなかったので詳しく聞いてみたい」
「治療を受けても症状が改善しない(すぐに疲れる、呼吸が苦しい、咳が出る、ふらふらする・・・など)」
「お散歩には行って良いのか、ごはんは変えたほうが良いのか」
このように、多くの場合は「このままの状態で良いのか、治療内容は合っているのか」といった内容ですが、 わからないことを明確にして、病気と向き合っていければ不安を軽くすることができます。心臓病に関するさまざまなご相談やセカンド・オピニオンも含め、愛犬・愛猫の心臓病で悩んでいる方はぜひ一度豊富な知識と経験を持つ当院の循環器専門獣医師にご相談ください。
診察日について
診察日は月1回、完全予約制となります。主に第2月曜日となりますが、変更される場合がございますので、受診をご希望の際は病院までご確認ください。
検査について
循環器診療では様々な検査(超音波検査、X線検査、血液検査、血圧測定、心電図検査など)を組み合わせて行います。患者の状態により必要な検査は異なりますが、説明まで含めて初診時には概ね60〜90分, 再診時は30~45分程度を要します。
担当医の紹介
木﨑 皓太先⽣ Dr. Kizaki Kota
近年、動物たちの高齢化が進み、心臓の疾患に悩まされる動物たちの数が増えています。心臓病も「早期発見」と「進行に合わせた治療」は予後にも影響する重要なポイントになります。患者様によって原因も違えば、治療法も様々なため一人ひとりの患者様に時間をしっかり使い、正確な診断に基づいて、最適な治療方法をご提案させていただきます。特に、丁寧に問診と説明を行うことを心がけ、話しやすい雰囲気を作っていきたいと思っています。治療内容や経過観察の仕方、緊急時の対応など、それぞれのご家庭に合わせて細かく調整していくことで、不安が少しでもなくなるように工夫しています。心臓病のことでも、日常生活で気になることでも、お気軽にご相談ください。
要注意なサイン
安静時(寝ている時)にも関わらず、呼吸数が1分間に40回を超える場合には肺水腫の疑いがあります。または胸水貯留の可能性も考えられます
心拡大による気管支の圧迫とそれに伴う気管支炎の発症の可能性があります
肺高血圧症やその他の重度の心疾患の可能性があります
肺高血圧症やその他の重度の心疾患の可能性があります
不整脈や肺高血圧症などが原因の可能性があります
重度の右心系の疾患や腫瘍性疾患、フィラリア症などに伴う腹水貯留の可能性があります
特に猫で、心筋症による動脈血栓塞栓症の可能性があります
よく⾒られる病気
- 犬の慢性弁膜症 (僧帽弁閉鎖不全症)
- 猫の肥大型心筋症、拘束型心筋症、動脈血栓塞栓症
- 犬の拡張型心筋症