歯科の特徴
犬や猫の80%が2歳以上で歯周病を発症するというデータがあります。
歯周病は歯垢中の細菌が原因で歯茎が炎症を起こし、進行すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。ほとんどの成犬がかかると言われており、口臭や歯茎の腫れ、出血などの症状が現れます。進行すると、歯が抜けたり、顎の骨が折れたり、全身の病気を引き起こす可能性もあります。早期発見・早期治療により、歯周病の進行を遅らせ、かつ歯周組織を再生させることが可能です。口臭や歯肉の赤みなどに気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。また、歯が折れてしまった場合は、歯の中の神経が腐ったり膿が溜まったりすることもあります。抜歯だけでなく、適切な治療で歯を残すことも可能です。
歯科診療担当医のご紹介
山本 倫大 Dr. Yamamoto Tomohiro
所属
日本獣医歯科学会
日本小動物歯科研究会
獣医歯科医療研究室
日本獣医がん学会
資格
VSJ COLLEGE 歯科basic course修了
腫瘍学basic course修了
日本小動物歯科研究会
・認定レベル1講義・実習修了
・認定レベル2講義・実習修了
・認定レベル3講義・実習修了
・認定レベル4講義・実習修了
PEPPY
0から始める獣医歯科学講義修了
0から始める獣医歯科学<アドバンス>講義修了
歯内治療ベーシック実習修了
コンポジットレジン入門実習修了
経歴
2012年 日本獣医生命科学大学(臨床病理学研究室所属)
2012年~ 横浜市内動物病院 勤務
2015年~ 日本獣医生命科学大学医療センター 腫瘍内科研修生
2017年~ 都内動物病院 勤務(副院長)
2020年~ 都内歯科専門動物病院 勤務(副院長)
2024年~ 個人として複数の病院で歯科診療・治療にあたる、年間250件近く歯科手術を実施
犬猫クリーン歯科 代表

麻酔の必要性について
ワンちゃん・ネコちゃんの歯科処置では、痛みやストレスを軽減し、安全に処置を行うために全身麻酔が必要です。
事前に血液検査や画像検査を行い、全身状態を確認しその子に合った麻酔を考え、より安全な全身麻酔を目指します。
全身麻酔中は心拍数等の様々な生体情報を麻酔用のモニターで確認しながら麻酔を維持することで、より安全な麻酔を心がけています。
また、当院ではご希望であればアメリカの獣医麻酔疼痛管理専門医の資格を持っている獣医師による麻酔管理についてもご案内できますので、高齢や持病のあるワンちゃんネコちゃんの歯科処置についてご不安のある方はスタッフにご気軽にご相談ください。
麻酔専門医のご紹介
小田 彩子 Dr. Oda Ayako
略歴
2014年 ノースカロライナ州立大学獣医学部卒業(米国)
2014 - 2015年 テネシー大学小動物臨床インターン(米国)
2015 - 2018年 ノースカロライナ州立大学獣医麻酔科レジデント
2018年 米国獣医麻酔疼痛管理専門医取得
2018 - 2019年 ノースカロライナ州立大学獣医学部麻酔科臨床講師
2019年 日本獣医師国家試験合格(受験資格認定者枠)
2020 - 2022年 Veterinary Anesthesiology Consultant(個人事業)代表
2022 - 現在 名称をCONSCIOUSに変更し、フリーランス獣医麻酔科専門医として活動

こんな症状はありませんか?
これらの症状の原因を取り除くためには歯科治療が必要となります。
症状に気づいた時は、できるだけ早いタイミングで診察にお越しください。早期発見・早期治療により大きな病気に進行する可能性を低くすることができます。
治療の流れ
当院では、動物たちの安全を第一に考え、事前の診察から治療後のケアまで丁寧に対応しています。
歯科処置はすべて全身麻酔下で実施しますので、事前の検査やご説明にもしっかりと時間をかけて進めてまいります。
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- 1初診・問診
- まずは普段の様子や気になっている症状について、飼い主さまから詳しくお話を伺います。口臭・食べづらさ・よだれ・歯の欠けなど、どんな小さなことでも構いませんのでご相談ください。
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- 2口腔内の診察
- お口の中を確認し、歯や歯ぐきの状態、歯石の有無、破折の有無などをチェックします。動物の性格や状態によっては、十分な観察が難しい場合もあるため、必要に応じて麻酔下での精査をご提案することがあります。
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- 3血液検査・全身状態の確認
- 全身麻酔を安全に行うために、血液検査などで全身の健康状態を確認します。高齢動物や持病のある場合は、さらに詳しい検査を実施することもあります。
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- 4処置・治療(全身麻酔下)
- スケーリング(歯石除去)やポリッシング、抜歯、破折歯の処置など、必要な処置を麻酔下で行います。歯周ポケットの深さや歯根の状態を確認し、処置内容をその場で判断する場合もあります。
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- 5術後の説明・お迎え
- 処置後は、写真やレントゲン画像を用いて治療内容をご説明します。必要に応じてお薬の処方や食事の指導も行います。
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- 6アフターケア・定期チェック
- 歯周病は再発しやすいため、処置後のケアがとても重要です。ご家庭でできるデンタルケア方法や、定期的な歯科検診のタイミングについてご案内いたします。
口の健康は命に関わる

犬の体格や性別に関わらず、1年に1回の歯科処置を行うことで死亡リスクを18%下げるというデータが海外で報告されています。
歯科処置を1年に1回実施している犬は、処置をしていない場合と比較して、健康で長生きできる可能性が高まると考えられています。
よく⾒られる病気
- 歯周病
- 破折
- 猫の尾側口内炎
- 口腔内腫瘍
当院の治療実績
<13歳 MIX犬>
【主訴】
・口を触らせてくれない
・歯石が付着している
【治療内容】
なかなか口を触らせてくれないため、歯石が付着。麻酔下で健康診断の検査の際に一緒にスケーリングを実施。歯周ポケットまで磨き、きれいになった。

処置前

処置後
<5歳 トイプードル>
【主訴】
歯磨きはしているが、口臭が気になるとのことで来られました。
【治療内容】
歯科レントゲンにて奥歯の歯槽骨が歯周病で溶けてしまっていたため、抜歯を実施しました。見た目ではわからない部分の異常も歯科レントゲンでは分かるため、周りの正常な歯に影響が出る前に対応できました。スケーリングもしっかり行い、術前は歯肉炎による炎症がひどかった部分も、術後10日で健康な歯肉の色に戻りました。
3歳を過ぎると7割以上が歯周病があると言われています。お口の健康寿命を守るために、愛犬のお口を日々気にしてみてください。気になることがあれば獣医師にご相談ください。

術前

術前

術前

術後すぐ

術後すぐ

術後10日

術後10日

術後