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#32 前十字靭帯断裂【整形外科】

投稿日:2021年12月9日 更新日:

8歳のトイプードルのわんちゃん、急性の右後肢の跛行を主訴に来院されました。散歩中に痛め、1週間経過しても改善がないとのことでした。身体検査、レントゲン検査、整形学的検査を行い、右後肢の膝蓋骨(膝のお皿の骨)内方脱臼を伴う前十字靭帯断裂と診断しました。飼主様とご相談の結果、運動機能の回復と将来的な関節疾患の予防を目的に、外科手術に進むこととなりました。

 手術は膝蓋骨脱臼と前十字靭帯断裂両者に対して術式を組み合わせて実施しました。膝蓋骨のはまっている大腿骨の溝が扁平化していたため形成し直して整復し、周囲の組織を調整。前十字靭帯の断裂に対して脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)変法を実施しました。また内側半月板の損傷も認めたため、事前に処置を行いました。

 比較的侵襲の大きな手術でしたが、当院の麻酔科医とも連携し、徹底した疼痛管理のもと手術を無事に終えることができました。術後の体調もよく、翌日には食欲も回復し2日後の退院時には患肢に体重をかけて歩くことができていました。

 

 関節外科は当院においても比較的実施する機会の多い手術です。特にここ数年は小型犬においても前十字靭帯疾患に対する外科的治療が発展しており、診断、手術に進む機会が増えてきました。現時点では上述の通り運動機能の回復、骨関節症(関節の軟骨損傷が徐々に進行していく病気)の進行抑制を目的に、骨矯正手術を行うことが多くなっています。代表的なTPLOやTTAといった手術は、関節外法(糸等で切れた靭帯の代わりを作る手術)に比べて合併症の発生リスクが低いとする報告もあります。診断から治療まで、詳細をご希望の方は当院獣医師までご相談ください。

 

【術前レントゲン】

【術後レントゲン】

 

【参照文献】

Karolina S.E, Gudrun S.B, Annika F.B, et al. Risk factors for severe postoperative complications in dogs with cranial cruciate ligament disease – A survival analysis. Preventive Veterinary Medicine 2021;191:105350

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