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#28 前十字靭帯断裂【整形外科】

投稿日:2021年10月20日 更新日:

5歳のトイプードルのわんちゃんで、急な左後肢の跛行を主訴に来院されました。検査の結果、左後肢は膝蓋骨内方脱臼を伴う前十字靭帯疾患と診断しました。また右後肢にも軽度の膝関節不安定性が認められ、慢性経過の前十字靭帯疾患が存在すると考えられました。まず症状の強い左後肢に対して手術を行うこととなりました。

 手術は膝蓋骨脱臼と前十字靭帯断裂両者に対して術式を組み合わせて実施しました。前十字靭帯は完全断裂を認めましたが、半月板は幸いにも損傷を認めませんでした。滑車溝の造溝術、TPLOを実施し手術終了としました。

 手術には全身麻酔が必要であり、また骨に対する手術は侵襲が強いことが多く痛みも強くなります。米国獣医麻酔疼痛管理専門医の小田先生管理のもと、徹底した疼痛管理を行って頂き無事に麻酔、手術を終えることができました。

術後の体調も問題なく回復し、翌日には元気にご飯も食べることができました。数ヶ月後には元気に歩けるよう回復してくれると思います。

 

 前十字靭帯疾患の外科的治療において、ここ20数年で近位脛骨骨切り術が主流となってきました。その中にも多くの手技が報告されており、当院で多く選択する手技としてTPLO(Tibial Plateau Leveling Osteotomy)と、CBLO(CORA Based Leveling Osteotomy)があります。TPLOは最もデータが多く安定した手技であり、CBLOも近年データが増えつつあります。コンピューターモデルでは多少の力学的違いが認められているものの、どちらが優れているというものでは現状なく、状況に応じて選択をし、どちらの手術を選択した場合においても良好な結果が得らています。手術前にはそれぞれ飼主様に現状と選択肢、予後をお伝えし、一緒に計画を立てていきます。

 

【術前レントゲン】

【術後レントゲン】

 

【参照文献】

Putame G, Terzini M, Bignardi C, et al. Surgical treatments for canine anterior cruciate ligament rupture: assessing functional recovery through multibody comparative analysis. Frontiers in bioengineering and biotechnology 2019;7:180.

 

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