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症例23 鎖肛【軟部外科】

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当院には先天性の病気を持ったわんちゃん猫ちゃんも時折来院されます。

今回は1ヶ月齢の秋田犬のわんちゃんで、便が出ない、排便時に痛がるとの主訴で来院されました。本来肛門がある位置に穴がなく、鎖肛と診断しました。以前ご紹介したように鎖肛には4つの型があり、今回のわんちゃんはⅡ型の鎖肛と考えられました。

治療としては、塞がっている肛門を開通させる肛門形成術を行います。会陰部を切開し、盲端になっている直腸と膣に繋がっている瘻管を特定し、開口させた上で縫合します。

手術に際しては全身麻酔が必要となり、特に体の機能が未成熟な幼齢動物では麻酔のリスクが高くなります。当院の麻酔医である松浦先生と連携を取り、無事に手術を終えることができました。目覚めも良く、当日の夜には排便が可能でした。

 

鎖肛は稀に認められる先天性疾患です。犬、猫ともに罹患する可能性があり、犬では雄よりも雌で約1.8倍発生率が高いと報告されています。病気の型によりますが、Ⅱ型の発生が多く、治療には肛門形成術が必要となる場合がほとんどです。手術せざるをえない状況であることが多いものの、Ⅰ型、Ⅱ型の場合には術後も長期で生存できる可能性があります。しかしながらどんな手術にも合併症発生のリスクがあります。過去の報告では肛門形成術を受けた動物の全頭が術後数日から数週間の便失禁を認めており、多くは改善するものの30%程度の確率で時間がたった後も便失禁が続いたとされています。当院でも手術前には可能な限り詳細に情報をお伝えできるよう努めておりますので、ご不明な点がある方は当院獣医師までご質問ください。

 

【術前画像】

【術後画像】

【参照文献】

1. Ellison GW, Papazoglou LG. Long-term results of surgery for atresia ani with or without anogenital malformations in puppies and a kitten: 12 cases (1983–2010). Journal of the American Veterinary Medical Association 2012;240:186-192.

 

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