骨折


骨折は落下、交通事故、ぶつかってしまった/踏んでしまったといった事故の場合、犬/猫同士の喧嘩など様々な原因で起こります。
特に小型犬では骨がもろく、少しの高さからのジャンプ/落下などでも簡単に骨折が起こり得ます。
多くの骨折では包帯などでの治療が困難で手術による治療が必要となります。
当院では四肢、骨盤、顎や脊椎まで各種骨折の整復術を行っております。
骨折を整復する場合にはプレートや創外固定、ピンニングなど様々な方法を駆使しますが骨折の場所、種類、動物の性格や費用に応じて適切な治療法を提案させていただいております。

◎橈尺骨骨折

前腕の骨折で、特に小型犬・超小型犬などでは落下などにより最も起こりやすい骨折です。
通常は橈骨/尺骨の両方の骨折が起こることが一般的ですが、それぞれ単独での骨折が起こることもあります。
特に多い、遠位骨折(手首に近い方での骨折)では少しのズレが足の変形につながってしまうため、通常は適切な手術が必要です。
また、この部位は周囲の組織が少なく、血流が乏しい骨のため、他の骨折と比べても癒合不全(骨がくっつかない)が起こりやすいので、適切な治療の選択が重要です

症例1
橈尺骨骨折 骨幹部単純骨折
患者:トイプードル 10か月 2.5kg
使用インプラント:fixin micro
原因:落下による骨折
コメント:一般的な骨折ですが、小型犬で骨が細い。ただし元気な若い子でよく動く子であったため、ロッキングプレートのfixin micro(1.7mmスクリュー)を使用しました。

症例2
橈尺骨骨折 遠位端骨折
患者:ポメラニアン1歳 2.0kg
使用インプラント:LCP1.5mm
原因:衝突による骨折
コメント:遠位部の骨折は骨がずれやすく、きちんとした治療を行わないと足先の方向が変になってしまい、その後の生活に支障をきたします。
中央での骨折に比べるとスペースが少ない分、普通のプレート1枚では治療が難しい場合があり、コンディラープレートという、片方が横に2本のスクリューが打てるようになっているプレート(コンディラープレート)で固定を行いました。

◎大腿骨骨折

後ろ足、太もも部位の骨の骨折で、骨折全体の中でも比較的起こりやすい部位で、交通事故や激しい落下などで起こることが一般的です。
特に交通事故の場合などは粉砕骨折なども起こりやすく、力がかかる大きな骨なので適切な治療を行わないと癒合不全や骨髄炎などにつながります。
外固定(包帯)ではうまく固定できず、ほとんどの場合では手術が必要になります。

症例1
骨幹部粉砕骨折
患者:日本猫 4歳 3.5kg
インプラント:ALPS6.5+髄内ピン(プレートロッド)
原因:交通事故
コメント:交通事故が原因の骨折の場合、骨が粉々に折れることが多くあります。今回もレントゲンではあまりはっきりしませんでしたが、骨が小さくバラバラになっており、また亀裂が膝近くまで長く入っている骨折でした。
普通のプレート固定だけでは力に負けてしまう可能性があるため、髄内ピンとプレートを併用(プレートロッド)し、固定を行いました。