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#33 膝蓋骨内方脱臼【整形外科】

投稿日:2022年1月14日 更新日:

 先月になりますが、膝蓋骨内方脱臼のわんちゃんの手術がありました。

 5歳のトイプードルで、右後肢を時々挙上する(ケンケンする)とのことで来院されました。お話を伺うと、左後肢も時折挙上しているとのことでした。触診にて、両後肢とも膝蓋骨内方脱臼(膝のお皿が内側に外れる病気)を認めました。入念に検査を行い他の病気がないことを確認し、飼主様と相談の結果、両後肢同時に手術に進むこととなりました。

 手術は全身麻酔下で行います。体重2kgと小さなわんちゃんでしたが、当院麻酔科の獣医とも連携し徹底した疼痛管理、循環管理を行い問題なく手術を終えることができました。手術翌日から自力で起立、歩行し、1週間後には足を引きずったり挙上したりすることもなく元気に歩行できていました。現在手術から1ヶ月が経過しましたが、元気に運動できています。

 

膝蓋骨内方脱臼は犬でとても一般的な整形疾患です。前述の通り、大腿骨の上に乗っている膝のお皿が、内側に外れてしまう状態ですが、その外れ方にも個体差があります。よく用いられる分類は外れ方の程度を4段階で表すもので、手でお皿を押すと外れ離すと戻る一番軽い状態のGradeⅠ、膝を伸ばしたり手で押したりすると外れ、膝を曲げたり手で押し戻すと戻るGradeⅡ、普段は外れているものの手で押し戻すと戻り手を離すとまた外れるGradeⅢ、常に外れた状態で押しても戻らないGradeⅣに分類されます。症状の出方もその子その子のため、Gradeで治療方法が決まるわけではありません。ただし症状のなかったGradeⅡの患者(一般的に一番多いのがGradeⅡだと思います)において4年以内に50%が手術が必要だったまたは必要な症状が出たという報告もあり、当院でもそういったリスクをお伝えしつつその子に合った治療方法、観察方法をそれぞれの飼主様とご相談させてもらっています。

 

【術前画像】

【術後画像】

【参照文献】

 Hamilton L, Farrell M, Mielke B, et al. The natural history of canine occult Grade II medial patellar luxation: an observational study. Journal of Small Animal Practice 2020;61:241-246.

 

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