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症例18 鎖肛【軟部外科】

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今回は猫ちゃんの先天性疾患に対する手術がありました。生後1ヶ月の猫ちゃんで肛門がないとのことで来院され、鎖肛(生まれつき肛門がうまく形成されない疾患)と診断しました。本来の位置に肛門は認められませんでしたが、検査の結果、直腸から膣に瘻管が繋がっており、そこから液状の便を排泄できていました。患者自身の全身状態は問題なく元気であったため、手術での治療に進むこととなりました。

肛門が全く認められないタイプの鎖肛に対する手術は、新しく肛門を作り直す肛門形成術を行います。今回の患者さんでも、瘻管を利用して肛門を本来の位置に形成しました。

手術に際しては全身麻酔が必要となります。特に体の機能が未成熟な幼齢動物では麻酔のリスクが高く、術前から術後まで慎重な管理が必要です。今回は米国獣医麻酔疼痛管理専門医の小田先生に遠隔での麻酔管理を行なって頂き、無事に手術を終えることができました。目覚めも良く、2時間後には摂食も可能でした。数日の入院の後、元気に退院することができました。

 

鎖肛は稀に認められる先天性疾患です。大規模な報告はないため発生率は不明ですが、犬でも猫でも発生し、犬では雄に比べて雌で発生率が高いとされています。肛門が狭窄しているタイプ1、肛門がなく直腸が体表付近で盲端になっている(瘻管を伴う場合が一般的)タイプ2、タイプ2よりもさらに深い位置で直腸が盲端になっているタイプ3、肛門はあるが腹腔内で腸との連続性が欠如しているタイプ4に分類されます。タイプによって治療方法が多少異なりますが、タイプ1、2では比較的良好な予後が期待できます。しかしながら術後に生涯にわたって便失禁が続くケースなどもあり、当院でも手術前にしっかりとインフォームドコンセントを行い病気についてご理解頂けるよう努めています。ご不明な点がある場合は、当院獣医師までお問い合わせください。

 

【術前画像】

【術後画像】

【参照文献】

1. Ellison GW, Papazoglou LG. Long-term results of surgery for atresia ani with or without anogenital malformations in puppies and a kitten: 12 cases (1983–2010). Journal of the American Veterinary Medical Association 2012;240:186-192.

2. Jardel N, Vallefuco R, Viateau V. A fistula flap technique for correction of type II atresia ani and rectovaginal fistula in 6 kittens. Veterinary Surgery2013;42:180-185.

3. Mahler S, Williams G. Preservation of the fistula for reconstruction of the anal canal and the anus in atresia ani and rectovestibular fistula in 2 dogs. Vet Surg 2005;34:148-152.

4. Rahal SC, Vicente CS, Mortari AC, et al. Rectovaginal fistula with anal atresia in 5 dogs. Can Vet J 2007;48:827-830.

5.Papazoglou LG, Ellison GW. Atresia ani in dogs and cats. A bird’s-eye view of veterinary medicine, Eds, Perez-Martin CC, InTech, Croatia pp2012:179-198.

 

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