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症例11 前十字靭帯断裂【整形外科】

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今週も前十字靭帯断裂のわんちゃんの手術がありました。

13歳のわんちゃんで、左右両方の後肢の前十字靭帯損傷が疑われました。高齢のわんちゃんであり、どこまでの治療をしていくかとても悩ましいところでしたが、飼主様と時間をかけてご相談させて頂いた結果、将来的にも運動機能を維持してあげたいという結論に至り手術に進むこととなりました。

手術はまず片足に対して行うこととしました。全身麻酔下で関節内を探索したところ、右後肢の前十字靭帯は完全断裂しており、内側半月板の損傷も認められました。断裂した靭帯、半月板を処置した後、TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)を実施しました。

手術に際しては全身麻酔が必要となります。高齢の動物では特にリスクが伴うことがありますが、米国獣医麻酔疼痛管理専門医の小田先生管理のもと、局所麻酔と投薬による徹底した疼痛管理と共に無事に麻酔、手術を終えることができました。

大きな手術でしたがわんちゃんもとてもよく頑張ってくれ、術後の体調も問題なく回復しました。数ヶ月後には元気に歩けるようになってくれると思います。

 

前十字靭帯は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)を繋ぐ靭帯で、膝関節の中に存在します。関節の安定化に重要な役割を担っています。この靭帯が断裂することで膝関節がぐらぐらと不安定になり、疼痛や運動機能障害が発生します。また不安定な状態が続くことで次第に軟骨の損傷が進み、最終的に慢性的な関節疾患(変形性関節症)へと進行します。治療としては保存的治療と外科的治療がありますが、将来的な変形性関節症への進行を抑制するためには外科的治療が必要となります。外科的治療にはとても多くの方法が提案されていますが、近年では特に骨矯正手術(靭帯がなくても関節が安定して運動できるように骨の形を変える手術)が主流となっています。骨矯正手術の中にも種類が多くありますが、最も一般的に行われているものがTPLOという方法で、変形性関節症の進行を軽減できることが示されています1。元々は中〜大型犬に対して適応されていましたが、最近では小型犬での有用性も報告されており2、当院でも様々な種類のわんちゃんで良好な結果を得ています。ただし、事前に可能な限り適切に診断、併発疾患の有無を含めて状態の把握を行う必要があります。お困りのことやご不明な点があれば、当院獣医師までお問い合わせください。

 

【参照文献】

1. Moore EV, Weeren R, Paek M. Extended long‐term radiographic and functional comparison of tibial plateau leveling osteotomy vs tibial tuberosity advancement for cranial cruciate ligament rupture in the dog. Veterinary Surgery 2020;49:146-154.

2. Amimoto H, Koreeda T, Ochi Y, et al. Force plate gait analysis and clinical results after tibial plateau levelling osteotomy for cranial cruciate ligament rupture in small breed dogs. Veterinary and Comparative Orthopaedics and Traumatology 2020;33:183-188.

 

【術後レントゲン】

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