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症例8 環軸不安定症【神経外科】

投稿日:2021年4月21日 更新日:

先週は環軸不安定症の手術がありました。

2歳のトイプードルのわんちゃんで、運動後急に立てなくなったとのことで来院されました。来院時点で意識状態には問題ありませんでしたが四肢不全麻痺(前肢後肢ともに起立できない状態)を認めました。神経学的検査で頚部の問題が疑われたためレントゲン検査、CT検査を実施した結果、環軸不安定症と診断がつき手術に進むこととなりました。

手術としては腹側固定が一般的であり、今回も腹側からアプローチを行いました。不安定となっている環椎(第一頚椎)と軸椎(第二頸椎)を確認し、ピン、スクリュー、骨セメントを用いて固定を行いました。

手術に際して全身麻酔が必要となりますが、米国獣医麻酔疼痛管理専門医の小田先生指導のもと、徹底した疼痛管理と共に無事に麻酔、手術を終えることができました。

術後しばらくは安静が必要ですが、術後数日で神経症状も改善傾向を認め順調に経過しています。

 

環軸不安定症は稀ですが、一般的に若齢の小型犬種で多くみられる疾患です。通常は靭帯でしっかりと固定されているはずの環椎(第一頚椎)と軸椎(第二頸椎)が、先天的な骨や靭帯の形成異常により不安定となってしまい、その結果、中を通る脊髄に圧迫などの損傷が加わり神経症状を呈します。稀に外傷により発生することもあります。多くは痛みや四肢不全麻痺などの急性の症状を呈して来院されますが、不安定さの程度によっては慢性に経過する場合もあります。運動機能を著しく障害することもあり、場合によっては生命に関わることがあるため、適切な診断と治療が必要です。治療には保存的治療(外固定などを含む内科的治療)と外科的治療がありますが、症状が軽微な場合、一部の慢性的に経過した場合を除き原則的には外科手術が推奨されています。手術前の状態にもよりますが、術後経過が良好であれば神経症状や痛みは大きく改善するとされています。しかしながら合併症発生時のリスクも大きい手術のため、事前にしっかりとご相談させて頂くことを心がけています。ご不明な点は獣医師までお気軽にご相談ください。

 

術後レントゲン画像

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