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症例4 橈尺骨骨折【整形外科】

投稿日:2021年3月22日 更新日:

今週は犬の橈尺骨骨折の手術を行いました。

6ヶ月のトイプードルのわんちゃんで、高所から落下し左前肢を痛がり挙上するとのことで来院されました。検査の結果、左橈尺骨(前腕部分)の骨折を認め、外科手術に進むこととなりました。

手術はまず受傷部を切開し、骨折部位を確認します。そして折れた骨を元の位置に整復した後、金属製のプレートとスクリュー(ねじ)で固定します。今回は小型のわんちゃんで、血流量の少ない前腕部の骨折でもあり、チタン製のロッキングプレートを用いて固定を行いました。

手術に際して強い痛みが想定されるため、全身麻酔および局所麻酔による徹底した疼痛管理が必要となります。米国獣医麻酔疼痛管理専門医である小田先生指導のもと麻酔管理、疼痛管理を行い、問題なく手術を終えることができました。術後の痛みも少なく元気に回復してくれました。

術後しばらくは安静が必要ですが、数ヶ月後には元通り元気に運動ができるようになってくれると思います。

 

橈尺骨の骨折は小型犬で多く認められ、特に遠位部分での骨折が頻繁に発生します。治療方法として原則的には外科的な整復が必要とされており、多くは金属製のプレートを用いた内固定法や、ピンと固定具を用いた創外固定法が適応となります。時には外固定(ギブス、バンデージなど)のみの保存的な治療も適応となる場合がありますが、外固定のみの治療では80%以上で重篤な合併症(癒合不全、変形癒合、機能障害など)が発生すると報告されており推奨されていません。それに対して上記の内固定法や創外固定法といった外科的整復での合併症発症率は6%以下であるとされています。当院では動物の将来に運動機能の障害が残ってしまうことのないよう、このようなエビデンスに基づき外科的な整復を第一選択としてご提案させて頂いております。しかしながらその子その子で骨折の部位、折れ方は様々なため、それぞれに合った最適な方法を飼い主様とご相談させて頂くことが大前提です。お困りのことがございましたら、獣医師までご相談ください。

 

 

レントゲン画像

【術前】

【術後】

 

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